周波数帯について

キャリアによる提供周波数帯の違い

 電波の管理は総務省が行っていますが、携帯電話用として用意されている周波数帯と各社への割り当て状況は以下のようになっています。なお詳しくは こちらを参照 のこと。

注)NTTドコモ - 対応周波数帯  

ドコモ系MVNO(格安SIM)NTTドコモ回線 を利用していますので、周波数帯は同じものを使います。
NTTドコモ回線 を利用したMVNO(格安SIM)は、主要なものだと OCNモバイルONE、楽天モバイル、BIGLOBEモバイル(タイプD)、DMM mobile、DTI SIM、IIJmio、mineo(Dプラン)などです。
出典:総務省
5G 周波数帯 周波数 備考
Sub-6 n77(n78) 3.6~3.7GHz 国際的に主要となる周波数帯。n78はn77に内包される。
n79 4.5~4.6GHz ドコモだけ対応している周波数帯。
ミリ波 n257 27.4~27.8GHz 5Gの真価を発揮する周波数帯。対応エリアは希少。

LTE Band (FDD-LTE)
*4Gの一種
周波数 備考
1 2.0GHz帯
(必須)
ドコモのメインの周波数帯で、周波数が高いので高速。
全国規模で広い範囲で運用。
3 1.7GHz帯 主に東名阪(首都圏・中京圏・近畿圏)エリア中心で使用される周波数帯。Band 1よりも高速(最大150Mbps)。
海外では1.8GHzと呼ばれる。
19 800MHz帯
(必須)
最大75Mbpsと速度は遅いが、Band 1を広くカバーし、地下・ビルの影・新幹線の中・室内・郊外や山間部などでもつながりやすい周波数帯。いわゆるプラチナバンド。
21 1.5GHz帯
(そこそこ重要)
ドコモが地方都市で高速化のために整備している日本独自の周波数帯。東名阪でも提供。海外製端末が対応していることはほとんどない。
28 700MHz帯
(あれば便利)
2015年以降整備の、Band 19と同じくプラチナバンド。
アジア太平洋共通バンド。
42 3.5GHz帯
(あれば便利)
キャリアアグリゲーション(ドコモは「PREMIUM 4G」と呼ぶ)で用いる帯域であり、高速通信用。東名阪一部で利用可能。
Band19は、Band6を内包。
なお、海外製のSIMフリー端末で、この Band19(800MHz帯)に対応していない場合は要注意。地方ではかなりつながりにくくなってしまい、山間部などでは電波がまったく入らないということもあります。
ドコモの場合、これら LTE の周波数帯の中で最も重視すべきものは、Band 1Band 19 になります。
Band1はメインの周波数で広いエリアで利用できますが、Band1が利用できないエリアをプラチナバンドの Band19 がカバー・補完しています。郊外や山間部などでの利用では、Band 19がないとかなり厳しいでしょう。
今後発売される機種においては、Band 28も必須になるかもしれません。
ドコモの 4G が入らない地域で通信用としても使われる 3G で重要なのは、Band1(2.1GHz:FOMAサービスエリア。ドコモの中心的な周波数帯) と Band6(800MHz:FOMAプラスエリア) です。
Band9(1800MHz:FOMA)は 関東・東海・近畿地域(東名阪のみ)は、別に意識しなくていいでしょう。
3G Band (W-CDMA) 周波数 備考
1 2.1GHz 広いエリアをカバーしているドコモの主要周波数帯。
電話回線(通話)で使用。
6 800MHz FOMAプラスエリア。電話回線(通話)で使用。
郊外・山間部などの地域では必須。
9 1.8GHz 東名阪(首都圏・中京圏・近畿圏)中心。
Band 9は別に意識しなくていい。
19 800MHz 800MHz帯再編終了後のFOMAプラスエリア。
いわゆる「FOMAプラスエリア」とは、これ。

 各社の3Gサービス終了時期
  • NTTドコモ「FOMA」:2026年3月31日
  • KDDI「CDMA 1X WIN」:2022年3月31日
  • ソフトバンク:2024年1月
  NTT docomo - 「FOMA」および「iモード」のサービス終了について
  au - 3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」のサービス終了について
  SoftBank - 「SoftBank 3G」のサービス終了について

少しだけ解説
「W-CDMA」「CDMA2000」は電話回線として使用されている3G回線です。
「LTE」は LTEデータ通信と、VoLTEでの通話の回線です。
つまり、docomoを例にすると、Band 1, 6, 19 が3G電話回線、Band 1, 3, 19, 21, 28 が LTEデータ通信 & VoLTE通話の回線となります。
SIMフリー端末では、その端末がどの Band に対応しているかで、通話や通信の繋がりやすさが変わってきます。
MVNO(例えば、OCN モバイル ONE)が取り扱う端末であれば問題ありません。
が、独自に選考して購入する場合は、十分確認をした上で購入しないと、後で後悔することになりますので要注意です。
チェックしてほしいのが、CPU と RAM(メインメモリ)。
CPU はコア数とクロック周波数が高いほど性能も高く、RAMが多いほど複数のアプリをスムーズに動かせるようになります。
CPUは、ほとんどが4コア(クアッドコア)ですが、価格重視のモデルの中には2コア(デュアルコア)のものもあります。RAMは最近は 3 ~ 4Gバイトが標準的で、5Gバイト以上は高級モデルに採用される傾向にあります。
また、SIMロックフリースマホを選ぶうえで重要になるのが、「電波の種類」。
ドコモ系MVNOの場合、端末が 3G(W-CDMA)や LTE に対応している必要があります。
ドコモが2015年に開始の LTE の 700MHz帯は対応機種が少なく、LTEの 1.5GHz帯(Band 21)は日本独自の周波数帯ということもあり、ドコモ端末以外では対応機種がほとんどありません。
では、対応 Band が少ないとどんなデメリットがあるのか?
まず、Band 1 の 2.1GHz帯の LTE と 3G に対応していれば、「都市部で圏外になることは、まずありません」。
ただし、ドコモは都市部では複数の Band を組み合わせて混雑時のトラフィックをさばいていますので、端末が Band 21 の 1.5GHz帯と 1.7GHz帯に対応していないと、混雑時に通信速度が遅くなる場合があります。
また、LTE と 3G ともに 800MHz帯に対応していない機種は「山間部で圏外になりやすい」というデメリットが生じます。
ドコモは、3G の 800MHz帯では「FOMAプラスエリア」として、山間部など電波の届きにくい場所で提供しており(都市部)でも提供しています。
SIMロック解除端末を使う時は、対応周波数帯に注意!
キャリアで販売している SIMロック端末は、当該キャリアの SIMを挿して使うことを前提に作られています。
つまり、ドコモの端末であればドコモが用意している周波数帯で使えるように作られており、他社の周波数帯のことは考えられていません。他社で販売している端末も同じです。
しかし、SIMロック解除原則義務化が始まったことにより、ドコモで販売された端末を SoftBank で、SoftBank で販売された端末をドコモで利用することが可能になりました。あるいは、SoftBank で販売された端末のSIMロックを解除してドコモ系MVNOの格安SIMを利用することも可能です。
このようにしてキャリア間の壁を乗り越えた場合に、「自分が使っている端末が対応している周波数帯」と「これから使うことになるキャリア(MVNO)が提供している周波数帯」が一致している必要があります。
現実問題として、1つも一致していないという事態は考えにくく、上記の表を見るとわかりますが、2.1GHzの Band 1は全てのキャリアが対応しているからです。
しかし、キャリアが用意しているより多くの周波数帯と一致している方が、より電波をつかみやすく、使い勝手が良いのは間違いありません。
実際にどのような問題が起きるか
SoftBank版をドコモのSIMで使おうと、ドコモ版を SoftBank の SIMで使おうと、キャリアが提供している周波数帯と端末が対応する周波数帯が1つでも一致していればとりあえずは使えます。特に都市部であれば、「つながらない」ということはほとんど考えられません。
しかし、全く問題がないわけではありません。例えば「回線混雑時のつながりにくさ」です。
どの携帯電話会社も、回線が混雑して逼迫した状況になると複数の周波数帯に上手く利用者を分散させて品質を確保しようとします。ドコモの LTEの場合であれば、まずは 2.1GHz、1.8GHz、1.5GHzと3つの周波数帯を使い分けます。
例えば、Xperia Z4 の対応周波数帯をみると、ドコモ版はもちろん全てに対応していますが、SoftBank版は2.1GHz、1.8MHzのみの対応で 1.5GHzには対応していません。
そのため場合によって、SoftBank版を使った LTE通信は回線速度が中々出にくい、ということが考えられるわけです。
もう1つは元々電波のつながりにくい山間部での問題です。
電波というのは「周波数が低い方が遠くまで届きやすい」という性質があります。遮蔽物を透過、回折しやすくなるからです。
携帯電話に割り当てられている周波数でいえば、1.5GHzよりも 800MHzの方が届きやすい、ということになります。
そのため、ドコモと au は 800MHz帯、SoftBank では 900MHz帯という周波数帯を用意して、主に山間部で活用しています。
しかし、Xperia Z4 の対応周波数帯を見てもわかるように、ドコモ版では 800MHz帯に対応しているものの 900MHz帯には対応しておらず、SoftBank版はその逆で 900MHz帯には対応していても 800MHz帯には対応していません。
ということは、例えばドコモ版(SoftBank版)に SoftBank(ドコモ)の SIMを入れて山間部に持って行くと、900MHz帯(800MHz帯)の電波をつかむことが出来ずにスマホがつながらない、使えないという事態に陥る可能性があります。
たまたま旅行で山間部を通過した時に使えなかった、という程度なら笑い話で済みますが、そこに住んでいる場合は取り返しがつかないことになります。
ドコモの端末にドコモの SIMを入れて使っていれば、あるいは SoftBank の端末に SoftBank の SIMを入れて使っていれば携帯電話がつながる場所でも、端末を SIMロック解除して他社の SIMを使うと一切つながらない、という可能性があり、その理由は「携帯電話会社が提供している周波数帯」と「端末が対応している周波数帯」の不一致から起きる、というわけです。
また、SIMロック解除が本格的にスタートしたのは2015年5月ですが、それ以前に発売された端末は SIMロック解除のことを意識して作られていないため、他社SIMで使う際に対応周波数帯が少ないというケースが散見されます。
ドコモ版や SoftBank版の古い端末の SIMロックを解除しようと考えている場合は、事前に十分な検討が必要でしょう。
対応周波数帯のことで頭を悩ませたくない場合は、素直に SIMフリー端末を買った方が無難です。
海外版 SIMフリー端末も極々少数ですが、国内での使用可能な製品もありますし、国内で正規に販売されている SIMロックフリー端末であれば、国内キャリアで使うことを前提に対応周波数を設定しているからです。